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「中の人なんかいない!」のデザイナーズノート その2

【システムで表現したかったこと】

タイトルから発想ということで、当初考えてたのは、『着ぐるみカード』と『中の人カード』を組み合わせて勝ち負けを決めるというものでした。ただ、これだけではまだメカニクスにすらなっていません。ましてやゲームとしてなにを表現したいのか、なにを楽しむゲームなのか、までは描けていません。

当初のアイデアでは、他の人からはみえない「中の人」とみえている「着ぐるみ」という点から、正体隠匿系のブラフゲームを考えていたのですが、どうしてもぼんやりした感じにしかなりませんでした。

で。あーでもない、こーでもない、と試行錯誤した結果、メカニクスとしては、“トリックテイキング”、テーマとしては“遊園地での来園者獲得合戦”にしようと思いました。

また、マストフォローとメイフォローのふたつのメカニクスを同居させたゲームにしてはどうだろうと思い、検討をしていました。具体的には『来園者カード』だとメイフォローだけど、『着ぐるみカード』を出されるとマストフォローとなる、といったような感じです。

しかしメイフォローは自分にはまだ取り扱うには難しすぎました。
実際に試してみたのですが「無理に出さなくてもいい」となると、気軽におりることができる。その結果、リードプレイヤーの移動が生じず、「ずっとオレのターン」みたいな状況が多々生じてしまうことになってしまったのでした。

自分のもっとも好きなゲームのひとつに「シュティッヒルン」がありますが、このゲームのメイフォローのシステムは、単に逃げられるのではなく、逃げ損のシステムが久組み込まれており、そこにジレンマがあって、なんともエレガント。

というわけで、メイフォローについては強く打ち出すことはやめました。

FIX版のルールで、競りラウンド時になにを出してもOKとするのは、競り時の手の広がりや、競りから降りたときに勝者に対して必要以上に得点化させない戦術を可能とするため。といった意味合いがありますが、その大元にはメイフォローのトリテという想いが残っているのは確かでしょう。



この解釈で合っているのかどうか判りませんが、「メイフォロー」とは、「トリックをとりにいくか否かをプレイヤー自身がコントロールできてしまう」ということです。ということはつまり、1チャンス入札形式の競りの構造と同義なのではないか。

というわけで(?)、着ぐるみカードによるゲームの部分は「メイフォロー的」ではなく「競り的」に切り替わっていきました。

と同時に、「中の人」という見えない存在が競りに絡むことでカードの強さに対する情報が、意図的に半分しか出ない。つまりあたかも強いカードであるかのようにみせる。はたまた弱いカードのふりをして他プレイヤーの強いカードを引き出させてつぶす、といったブラフ的要素が加えることとなりました。

もっともこの部分に関してはカードの枚数に制限があって、そのメカニクスをあまり強調するまではいっていませんが、ゲームに慣れていけばいくにつれて、うまく立ち回ることができ、そこそこに機能させることができる。そこが面白かなぁと思っています。
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